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2020年7月10日 (金)

旧アッピア街道(Via Appia Antica)

映画『クォ・ヴァディス(QUO VADIS)』M.ルロイ(2020年7月5日)で紹介したアッピア街道は、ローマ時代、財政官であったアッピウス・クラウディウスが立案し、紀元前312年に建設が始まった最初のローマ街道です。

Via-appia-antica
アッピア街道(Via Appia Antica)

立案者の名前にちなんで「アッピア街道」と名付けられました。現在は、ローマから南東アドリア海の港町ブリンディジ(Brindisi)まで並行して走る高速道路『新アッピア街道(Via Appia Nuova)』ができたため、ローマ時代のものは『旧アッピア街道(Via Appia Antica)』と呼ばれます。

アッピウス・クラウディウスはまた、水源地から街に水をひくための大規模な治水事業「ローマ水道」の立案者でもあります。都市のインフラとして最も重要な「街道」と「水」を整備するために、ローマに大きな貢献をした人物と言えるでしょう。

Acquadotto
彼方の山からローマに水をひく水道橋

アッピア街道は、当時のローマが機能的な軍事道路を必要としたため建設されました。街道網は375本、幹線だけでも8万㎞以上、支線を加えると15万㎞はあったといわれています。

街道は石で舗装されていて、主にナポリ郊外のヴェスヴィオ火山の火山岩である頑丈な玄武岩が使われました。黒っぽく輪郭のまるい石が敷き詰められています。轍が残っているところもあり、ここを戦車や荷馬車が通ったのだなあ…、と、古代の情景に想いを馳せます。

ローマの舗装道路は、アッピア街道のみならずローマ遺跡のいたるところに残っています。

かつて政治の中心地であったフォロ・ロマーノの凱旋門があるメインストリートは、アッピア街道の始発点です。ユリウス・カエサル(Giulio Cesare)や第一代ローマ皇帝アウグストゥス(Cesare Augusto)はじめ、多くの将軍や兵士たちがここから雄々しく遠征に出発し、勝利の凱旋行進をしたことでしょう。

フォロ・ロマーノを出ると、アッピア街道は南側にある円形闘技場コロッセオ(Colosseo)近くを通ります。

Appia-colosseo
アッピア街道コロッセオ付近
また、ヴェスヴィオ火山の噴火で火山灰に埋もれた街ポンペイ(Pompei)では、経年による損傷がほとんどない当時のままの舗装道路を見ることが出来ます。

Appia-pompei
ポンペイの舗装道路
ヨーロッパを旅行すると、ローマが侵攻した各地で、思いがけずアッピア街道や舗装道路に出会うことがあります。
「すべての道はローマに通ず」と言われますが、すべての出発点が紀元前312年から始まり領土を拡大するために大きく放射状に広がっていったのだと考えると、陸も海も山も越えて進軍するローマ人の、その圧倒的な力強さを感じます。

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